「日本の折形展」和紙と日本の美意識
| 会 期 | 2010年2月8日(月)〜2月11日(祝) |
| 会 場 | 日本橋 萌(もえぎ) 衣知会(いちえ) 東京都中央区日本橋浜町2-17-8 |
| 特別講演 | 主催者山根一城による講演 2月8日(月) 18時30分〜19時30分 |
| 特別セミナー | 1回目 15時〜16時 2回目 18時30分〜19時30分 |
折形の普及に取り込んで以来、折形礼法の根底にある日本の素晴らしい価値観や哲学を歪めることなく正しく伝えることができればと願っておりましたが、今回初めて折型の個展を東京都内で開催致すことが出来ました。
テーマは「和紙と日本の美意識」。折形礼法の基本素材「和紙」の素材としての美しさ、そして自然界の恵みを尊い贈りものと考えた美意識。これらが融合されたものが公卿や武家社会での贈りものの文化に象徴されています。
展示会では室町から江戸時代にかけて使われていた贈りものと紙に出来るだけ近い「本物」を使用しました。紙の大半は越前和紙で、無形文化財の方々に漉いていただいた国産の素材を使用した生漉きの特注品です。作品ごとに異なる和紙を使い分けました。本物の贈りものを本物の和紙で折り包む。そしてご覧いただく方にはガラスのショーケースなどを通さずに直接手に触れる距離でこれらの素材の美しさも感じていただけるように配慮いたしました。
昨年末に出版致しました著書「日本の折形」ではこうしたテーマで折形を紹介いたしましたが、書面では伝えきれない本物の美しさを直に感じていただきたく今回の展示会開催に至りました。会場は日本橋の老舗呉服店「萌」の特別展示会場をお借りし、美しい帯や生地もお借りすることが出来ました。メディア告知なしにも関わらず、連日多くの方にご来場いただき折形の美を伝えることが出来ました。
(写真:入り口には木の花包、草花包を展示。木の花包は高さ1.5メートルの白梅。)
山根一城
1.展示風景。写真右側には武家に関連する折形を中心に展示。和室には「包みの記」の折形を復元した作品や、儀礼、儀式に関する折形を中心に展示。2.織物に関連する折形を展示したコーナー。「包みの記」から復元した折形。3.帯包み。4.武家に関連する折形。弓包、真羽包、鞢包、矢包、扇包、硯包み、筆包みなど。
5.展示風景。右側の壁面はパネル展示。左側は漆のお膳に、季節の折形を展示。6.右奥のスペースの壁面は、公家と武家の文化を紹介。公家文化は打雲に謡われた和歌、色紙包み、短冊包みと恋文。武家文化は竪文と折紙を展示。中央のテーブルには紙幣包み六点を展示。7. 贈進紙幣包み。8.和紙の展示 風景。
山根 一城 (やまね かずき)
1950年、東京生まれ。法政大学文学部英文科卒業後、米国カリ フォルニア州フラトン校大学院に留学、文化人類学を学ぶ。 BMW Japan Corp.マーケティング部長、日本コカ・コーラ広報 担当副社長など外資系企業勤務を経て、2003年より折形礼法の 普及を開始。礼法研究家、折形礼法の第一人者・山根章弘氏の 後継者。NHKなどのテレビ、雑誌、新聞、講演、展示会などで 活躍中。東京・東中野の教場で指導のほか、首都圏のカル チャースクールでも指導。和紙産地とのコラボレーションにも 取り組んでいる。折形礼法のほか、アナログ文化をテーマとし て、中国茶、オーディオ、天文教室などの分野でも活躍。さら には、広報、危機管理のコンサルタント活動も行うなど、経 済・文化の両面で積極的に活動を展開中。2006年、東久邇宮記 念賞受賞。
展示会:福井県今立にて文化庁主催の国民文化祭で特別展示を 実施。時代考証を含め260点の作品を復元展示(2005年10 月)。イタリア・ミラノでの日本展示会に参加、セミナーを開 催(2006年10月)。イタリア・ミラノ市現代美術館PACにて日 本の美展示会に出展(2008年10月)。日本橋 萌 衣知会にて初 の個展「日本の折形展」を開催(2010年2月)。
主な著書:『折形レッスン』文化出版局(2005年3月)、『暮 らしに使える折形の本』PHP研究所(2007年10月)、『和もの のいろは』小学館刊行(2007年11月)に掲載、『日本の折形』 誠文堂新光社(2009年10月)、『暮らしの折り方、包み方』主婦と生活社 (2009年12月)
【特別展示作品:天皇家で使われた折り形の再現】
蓁子内親王(もりこ ないしんのう)十三歳天保七年(一八三六年)の鉄漿始め(お歯黒はじめ)に使われた、鉄漿筆(お歯黒ふで)を包んだ五色の畳(たとう)の再現。
【原型】
内側から
紅梅色に銀箔散らし
一枚
四方の縁を黒色に染めた楮紙
二枚
四方の縁を黄色に染めた楮紙
二枚
白紙
二枚
表の紙 菊散らし空刷り文様の銀箔押紙
一枚
【今回の再現】
紅梅に蝶 雲母と金箔散らし 雁皮
一枚
草木染め色楮薄紙黒
二枚
草木染め色楮薄紙山吹
二枚
極薄楮薄紙 白
二枚
柳色雁皮 源氏雲透かし金散らし(野毛,小石,砂子)
一枚
合計 八枚重ね
本折形は伊勢貞丈著「包みの記」に記載されている将軍家伝承の折形はとほぼ同形である。
【特別展示作品:高倉家伝来品 短冊包み (江戸後期) の再現】
短冊包み 八枚重ね
薄様色雁皮 装飾かな料紙 使用
内側から
地紋三色ぼかし、雲母、金砂子
一枚
群青(ぐんじょう)色 極薄草木染め色雁皮
一枚
黄丹(おうに)色 極薄草木染め色雁皮
二枚
乳白(にゅうはく)色 極薄草木染め色雁皮
三枚
表 金銀砂子 磨き出し布目入り 鳥の子
一枚
合計 八枚
[短冊]三条西実世 筆 (一五一一 〜 一五七九) 新古今和歌集
展示目録
特別作品
天皇家で使われた折形の再現
蓁子内親王(〈もりこ ないしんのう〉13歳天保7年1836年)の 鉄漿始め(お歯黒はじめ)に使われた、鉄漿筆(お歯黒ふで) を包んだ五色の畳(たとう)の再現。
高倉家伝来品 短冊包みの再現
短 冊:三条西実世筆(1511-1579)
展示作品
木の花包
「包みの記」 折形復元
草花包
「包みの記」 折形復元
帯包
「包みの記」 折形復元
丸きもの
「包みの記」 折形復元
短きもの
「包みの記」 折形復元
板のもの
「包みの記」 折形復元
弓包
「包みの記」 折形復元
真羽包
「包みの記」 折形復元
矢包
「包みの記」 折形復元
鞢包
「包みの記」 折形復元
硯包み
筆包み
目貫包み
「包みの記」 折形復元
扇包み
「包みの記」 折形復元
熨鮑包
「包みの記」 折形復元
結納金包み 帯料
結納金包み 袴料
目録包み
銚子・提子飾り包
「包みの記」 折形復元
瓶子飾り
「包みの記」 折形復元
茶筅・茶杓包み
新茶包み
お香包み
櫛包み
紅筆包み
渡し金包
「包みの記」 折形復元
五倍子包み
短冊包み
色紙包み
結婚祝い包み
贈進紙幣包み
結婚祝い包み・鶴
お布施包み
お初穂料包み
月謝包み
万葉包み 箱包み
万葉包み 丸きもの
鶴の箸置き
節分・鬼の豆包み
屠蘇器飾り
雛節句お祝い包み
竪文
結び文
資料展示
帽子真綿
かわらけ
伊勢神宮 拝領品
お歯黒道具 一式
釜敷
山崎吉左衞門 作
矢立て
和 歌 飛鳥井雅章/三条西実世/冷泉為則 肉筆
折 紙 華道お免状 池坊専啓 大正15年
和時計 大名櫓時計染色染
織物展示協力 株式会社 萌